ヘアスプレーを使ったチッピング方法をテストをしてみました。
他に、マジックリン、ケガキ針、小筆、スポンジチッピングなどを試しています。
プラモデルのチッピング方法の参考にしてください。
テストピースの作成 & ヘアスプレー技法の下準備
プラ板でテストピースを作って、10種類のチッピング方法を比較できるようにしてみます。
▲ プラ板でテストピースを作ります。
▲ Mr.Hobbyの水性ブラックサーフェイサー1000で下塗りします。
▲10cm程度離してスプレーします。
▲ 3回吹きました。
▲ その上にヘアスプレーを吹きます。ケープを使いました。
▲ ヘアスプレー技法をする部分だけに吹き付けます。
▲ 良く乾かします。
▲ もう一度、ヘアスプレーを吹いて…
▲ …良く乾かします。
▲ タミヤのアクリル塗料 XF-26 ディープグリーンを塗ります。
▲ 古いエアブラシを引っ張り出しました。
▲ 水で薄めます。
▲ 吹き付けます。
▲ ヘアスプレー技法をする部分にヘアスプレーを吹き付けます。
▲ タミヤのアクリル塗料 XF-2 フラットホワイトを塗ります。
▲ 吹き付けます。
▲ マスキングを剥がします。
▲ こんな感じになりました。
ヘアスプレーの使い方
- ヘアスプレーは2回吹く。
- 上に吹く塗料は溶剤ではなく水で薄める。
- 水で薄めすぎないこと(後述)。
1. ヘアスプレーを使ったチッピング
ヘアスプレーの上に塗装したテストピースを使って、チッピング作業を行ってみます。
▲ ヘアスプレーを吹いた部分を水で湿らせます。
▲ 1分程待って、筆に水を含ませて塗装面を擦りますが…
▲ …柔らかい筆では塗装が剥がれません。
▲ 硬めの筆に換えて塗装面を擦ります。
▲ 少し塗装が剥がれてきました。
▲ 剥がれ始めると、連続して剥がれるようです。
▲ 白塗装も剥がしてみます。
▲ 水で湿らせてから筆で擦ります。
▲ 塗料を水で薄めすぎたせいか、ヘアスプレーが流れてしまったようです。
▲ 塗装をやり直しました。(すでに、塗装面が少し荒れていますが…)
▲ 水で湿らせます。
▲ 硬めの筆で塗装面を擦ります。
▲ 白塗装は塗膜が固いのか、なかなか剥がれません。
白は薄く吹いておくのが良さそうです。
▲ やっと剥がれてきました。
▲ かなり擦っても、下の緑までは剥がれません。
ヘアスプレー技法のポイント
- 塗装を剥がす部分に、しっかり水を塗っておく。
- 硬めの筆で強く擦る。
- ヘアスプレーの上に吹く塗料を水で薄めすぎると、ヘアスプレーが溶け出し、塗装が剥がれなくなる。
- 上に吹く塗料の状態によって、チッピングのし易さに影響が出る。
- 自然なチッピングが得られるが、塗り重ね作業や塗膜のコントロールが難しい。
2. マジックリンを使ったチッピング
▲ 水性塗料を溶かす「マジックリン」で塗装を剥がしてみます。
▲ 上の塗装だけを落とすことは可能です。
▲ 筆先を弾くようにしても、チッピングにはなりませんね。
▲ 白塗装も剥がしてみます。
▲ マジックリンの量を調整すれば、薄っすらと塗装を剥がすことができます。
▲ 冬季迷彩の剥がれに使えそうです。
マジックリンを使ったチッピングのポイント
- 筆に付けた余分なマジックリンは、しっかり拭き取る。
- 軽く撫でれば、上の塗装だけを落とすことができる。
- 筆を叩くようにしてもチッピングにはならない。
- 冬季迷彩の剥がれに使えそう。
3. ラッカーシンナーを使ったチッピング
▲ マジックリンより強力な「ラッカーシンナー」を使ってみます。
▲ 溶剤は強いのに、塗装が落ちません。
▲ 乾燥が早いので、マジックリンより塗装を剥がしにくいです。
▲ 白塗装も剥がしてみます。
▲ 剥がしにくいです。
▲ シンナーを多く付けると塗装は剥がれますが、塗装面が荒れます。
ラッカーシンナーを使ったチッピングのポイント
- 乾燥が早いので、マジックリンに比べて塗装を落としにくい。
- 溶剤が強いので塗装面が荒れる。
- 塗装を落とすなら、マジックリンを使った方が良い。
4. メラミンスポンジを使ったチッピング
▲ メラミンスポンジを使って、塗装を剥がしてみます。
▲ 逆ピンセットに挟んで擦ってみます。
▲ ほとんど削れません。
▲ 指で摘まんで、強く擦ってみます。
▲ 塊を直接、擦りつけてみます。が、ほとんど削れません。
メラミンスポンジを使ったチッピングのポイント
- かなり強く擦っても、少ししか塗装が剥げない。
- 模型上で作業するのは無理。
5. ケガキ針を使ったチッピング
▲ ケガキ針を使って、塗装を剝がしてみます。
▲ 塗膜が意外に固いです。
▲ 小さいチッピングは再現できそうです。
▲ 線状の傷を付けやすい感じです。
ケガキ針を使ったチッピングのポイント
- 軽く擦れば、上の塗装だけを剥がすことができる。
- 線状の傷や細かいチッピングに使える。
6. カッターナイフを使ったチッピング
▲ カッターナイフで塗装を剝がしてみます。
▲ 刃が点で当たるので、ケガキ針のように線状の傷になります。
カッターナイフを使ったチッピングのポイント
- 平面部は点で当たるので削りにくい。
- 平面部はケガキ針のほうが使いやすい。
7. 曲線刃ナイフを使ったチッピング
▲ 曲線刃ナイフで塗装を剝がしてみます。
▲ カッターナイフと違い、面で削れるのでチッピングっぽくなります。
▲ 塗装を薄く削ることもできます。
曲線刃ナイフを使ったチッピングのポイント
- 平面部はカッターナイフより削りやすい。
- 細かいチッピングに使えそう。
- 広く薄く削ることも可能。
8. ナイロンたわしを使ったチッピング
▲ ナイロンたわしで塗装を剝がしてみます。
▲ 塗膜が強くて、かなり力を入れないと剥がれません。
ナイロンたわしを使ったチッピングのポイント
- かなり強く擦らないと塗装が剥げない。
- メラミンスポンジより削れるが、模型上で使うのは難しそう。
- 広い平面部の塗装剥げに使えるかも。
9. スポンジを使ったチッピング
塗装を実際に剥がさずに、チッピングを描き加える方法を試してみます。
▲ スポンジの切れ端を逆ピンセットに挟みます。
▲ 少し水で薄めたタミヤのアクリル塗料をスポンジに付けます。
▲ 余分な塗料を取り除きます。
▲ 塗装面に軽く押し付けます。
▲ もう少し、塗料を取り除きます。
▲ 軽く押し付ける感じが良さそうです。
▲ もう少し、濃い塗料にしてみます。
▲ 濃いほうが良さそうです。
▲ スポンジの角を使った方がリアルです。
▲ 練習すれば、ヘアスプレーのチッピングに近づけそうです。
スポンジを使ったチッピングのポイント
- 塗料は濃いほうが良い。
- 余分な塗料は取り除いておくこと。
- スポンジの面ではなく角を使う。
10. 小筆を使ったチッピング
▲ 小筆でチッピングを描きこんでみます。
▲ ちょんちょんと描きこみます。
▲ 筆の方向が揃っているので不自然です。
▲ 大小、強弱、粗密に注意します。
▲ 練習すれば、ヘアスプレーのチッピングに近づけそうです。
小筆を使ったチッピングのポイント
- チョン付けする方向、強弱、粗密に注意しないとチッピングが単調になる。
- 筆の代わりに爪楊枝を使うと良いかも。
各チッピング方法の結果
▲ チッピングはヘアスプレーが一番リアルです。
▲ スポンジと小筆は手軽さがポイントです。
▲ マジックリンは塗装剥がれに使えます。ラッカーシンナーは使いにくいです。
▲ 細かいチッピングはケガキ針が使えます。
曲線刃ナイフも細かいチッピングを作りやすいです。
まとめ
- チッピングはヘアスプレー技法が一番リアルだが、塗装の状態や作業には技術が必要。
- 広範囲のチッピングにはヘアスプレー技法がベスト。
- ミニスケールの模型にはヘアスプレー技法はオーバースケールになりそう。
- ミニスケールの模型はヘアスプレー技法を使わなくても、他の方法で補えそう。(エアブラシを使いたくないので…)
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